この船を御存知でしょうか? 船名「SOUNDS OF SETO」、元・宇高連絡船「土佐丸」を豪華客船に改造 したものです(主要項目表)。 今回は、生まれ変わった土佐丸の国内で活躍した10年半の航跡を辿ります。 昭和63年、連絡船としての役割を終えた「土佐丸」は、JR四国による競売にかけ られ、常石造船(広島県沼隈郡)が落札しました。その後、改造工事が施され、平成元 年に「SOUNDS OF SETO」として再就航しました。当時は常石グループの アイランド クルーズラインが管理しており、主に境ヶ浜(広島県尾道市、常石造船横) −与島(香川県坂出市、瀬戸大橋の中間部)間のクルージングやチャーター船として 活躍しました。 時代の流れと共に一般クルージングの低迷と船の老朽化が目立つようになり、 平成10年頃に廃止の噂が流れる中、平成11年にはしまなみ海道のイベント船 として尾道市に拠点を移し、クルージング船として映画館として活躍しました。 |
(上図:尾道水道を航海するSOUNDS OF SETO) また、この年の5月には、故郷・宇野港の「たまの港フェスティバル」のメインイベント として来航しました。 しかし、ついに同年10月をもって廃止となり、平成12年10月にインドネシアに売却されま した。 |
宇高連絡船が廃止されてから13年、高松の港は再開発事業「サンポート高松」計画
によって大きく変貌し、宇高連絡船時代の面影を見つけることは難しくなりました。 平成13年5月13日には新JR高松駅、高松港湾旅客ターミナル、2万トンバースなどの施設が 続々オープンしました。 その中の港湾旅客ターミナルビルの3階に、宇高連絡船に関する展示スペースが 設けられました。このスペースには宇高連絡船時代の写真や模型、実際に使われていた 備品などが展示されています。 |
(上図:新JR高松駅) |
(上図:ターミナルビル展示スペース) |
また港湾旅客ターミナルビルの南西側(JR高松駅側)出入口には、鉄道連絡船が
あったことを示すモニュメントとして、連絡船に貨車を積み込んでいた可動橋を
イメージして地面にレールが埋め込まれています。また壁面には宇高連絡船の解説文が書かれ、
宇高連絡船時代の高松港の地形図が黄色で、現在の高松港の地形図が緑色で
描かれています。この地形図、夜間は美しく光り、
通りゆく人々の注目を浴びています。 その地形図によると港湾旅客ターミナルは、連絡船第一桟橋の沖約20〜30メートル のかつて海であった場所に建っています。 また旧高松駅舎跡地に建ったホテルの南東には、宇高連絡船廃止後も平成8年11月まで 観光船として活躍した讃岐丸の錨がモニュメントとして展示されています。 |
(上図:港の地形図) |
(上図:讃岐丸の錨モニュメント) |